池田動物園は、岡山県岡山市北区にある民間の動物園で、約100種、450個体の動物が展示されています。
池田動物園は、1953年(昭和28年)に元岡山藩主・池田詮政の孫である池田隆政と、昭和天皇の第四皇女・池田厚子夫妻によって「池田産業動物園」として開設されました。その後、1960年(昭和35年)に現在の「池田動物園」として改称されました。
特徴として、園の大半が京山の山中に位置している点が挙げられます。この「山を利用した動物園」は国内でも非常に珍しく、観光案内でも大きく取り上げられることが多いです。
園内では、キリンやレッサーパンダ、マゼランペンギン、エリマキキツネザルなど、多くの人気動物が飼育されています。さらに、ヤギやヒヨコ、フラミンゴなどに触れられる体験も提供されています。また、期間限定でナイトズーやクリスマスコンサートといったイベントも開催され、訪れる人々に特別な体験を提供しています。
その他、園内には旧民家を移築して作られた岡山民俗館があり、農耕器具や家具類などが展示されています。期間限定で宮中御臺人形の展示も行われています。
1986年(昭和61年)には、中国の西安動物園と動物の交換を行い、池田動物園からはダチョウやニホンキジを、西安動物園からはレッサーパンダが贈られました。この交流がきっかけとなり、1988年(昭和63年)には瀬戸大橋開通記念の「中国三大珍獣展」の一環として、ジャイアントパンダが3月下旬から3ヶ月間展示されました。
2008年(平成20年)度の来園者は約11万人で、2009年(平成21年)には約200万円をかけてペンギンの飼育舎が改装され、より近くでペンギンを観察できる散歩通路が設けられました。
2012年(平成24年)からは、池田厚子が園長を務めていますが、資金難などにより今後の運営方法が模索されています。
また、園内には1988年(昭和63年)からゲーム機や乗り物が設置された「遊園コーナー」がありましたが、老朽化のため2022年(令和4年)10月31日をもって閉鎖されました。
2024年(令和6年)4月3日には、築40年超の売店と食堂を改装した「あしあとショップ&ごちそうキッチン」がオープンしました。
ごちそうキッチンでは、さまざまな種類の食事やデザートが提供されています。ショップと繋がっており、向かいには大きなテントの休憩スペースもありますので、そこで食事を楽しむこともできます。
あしあとショップでは、池田動物園オリジナルグッズが販売されています。園内で見られる動物のぬいぐるみやキーホルダーが豊富に揃っており、特にホワイトタイガーのグッズが人気です。
ウォッチングサイクルでは、2人乗りで空から動物たちを観察することができます。普段とは違った視点で動物たちを見ることができ、特別な体験を提供します。
民俗館では、県北の河本ダム建設による水没場所の民家を移築し、貴重な農具類や茶道具、家具などが展示されています。
園内には、昔岡山の街を走っていた井笠鉄道の蒸気機関車と西大寺鉄道の客車が展示されています。運転席や客席にも自由に乗ることができ、当時の鉄道の雰囲気を楽しむことができます。
池田動物園では、動物たちをより身近に感じられる展示方法が工夫されています。
レッサーパンダ舎の一部をテラスとして、柵を外しガラス張りにすることで、より観察しやすくなっています。
コツメカワウソ舎では、お客様側に飛び出したアクリルのプールを設置し、頭上を泳ぐカワウソたちの姿が見られるようになっています。
ジェフロイクモザル舎の前には歩道橋が設置されており、高く登ったジェフロイクモザルと目線を合わせることができます。
山の地形を活かした池田動物園の「鹿たちの庭」では、斜面を利用して鹿たちが自然に近い形で暮らす様子を見ることができます。
池田動物園は岡山市北区に位置し、アクセスには公共交通機関または自動車が利用可能です。
JR岡山駅西口から岡電バスを利用し、「京山入口」で下車後、徒歩約12分で到着します。タクシーを利用する場合、JR岡山駅から約8分です。
山陽自動車道岡山ICから岡山市街地方面へ約15分で到着します。