旧片山家住宅は、岡山県高梁市成羽町吹屋にある歴史的な邸宅で、かつてはベンガラ製造で栄えた片山家の本家邸宅です。この家屋は、江戸時代から続くベンガラ業を支え、地域経済に大きな影響を与えました。現在では、主屋や宝蔵、米蔵、弁柄蔵など5棟が国の重要文化財に指定されており、一般公開されています。
旧片山家住宅は、岡山県高梁市成羽町吹屋に位置し、片山家本家である「本片山」として知られています。この邸宅は、片山家が1795年(宝暦9年)に本格的に弁柄製造を開始して以来、約200年にわたりベンガラ業を行ってきました。郷土館の向かいに位置し、主屋や宝蔵、弁柄蔵などがあり、これらが国の重要文化財に指定されています。
旧片山家住宅は、2003年(平成15年)から保存修理が行われ、2005年(平成17年)8月から内部も一般公開されています。保存修理では、家屋の歴史的価値を保ちながら、当時の建築技術や生活様式を現代に伝える重要な文化財としての役割が強化されました。
片山家は1759年(宝暦9年)に創業し、吹屋弁柄の製造・販売を200余年にわたり行ってきました。片山家は、代々「浅治郎」の名を襲名し、家業を引き継ぎました。弁柄業は、片山家の手によって発展し、地域の特産品として吹屋ベンガラの地位を確立しました。
片山家の弁柄製造は、長尾家や田村家と共に地域の経済を支える一大産業でした。片山家はまた、弁柄の生産に必要な緑礬(ローハ)の生産も行い、村の経済を支える重要な役割を果たしました。
旧片山家住宅の敷地には、主屋、宝蔵、米蔵、弁柄蔵、仕事場および部屋の5棟が建ち並び、これらが国の重要文化財に指定されています。また、家相図も重要文化財の附指定となっています。さらに、別に玄米蔵や弁柄箱、道具蔵が高梁市指定文化財となっており、当時の生活と産業活動の様子を伝えています。
片山家をはじめとする弁柄業者は、吹屋村の経済に大きく貢献していました。185