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石火矢町ふるさと村

(いしびやちょう むら)

石火矢町ふるさと村は、岡山県高梁市にある歴史的な風情を色濃く残す地域で、岡山県指定のふるさと村の一つです。約250メートルにわたる坂道沿いには、旧武家屋敷や土塀が連なり、江戸時代の城下町の景観を今に伝えています。備中松山城の城下町として発展し、その格式ある町並みは訪れる人々に武士たちの歴史を感じさせます。

歴史的背景と町並みの保存

格式高い武家町の歴史

石火矢町は、備中松山城が建つ臥牛山の南麓に広がる城下町で、武家の町としての歴史があります。江戸時代初期、備中松山藩初代藩主池田長幸の時代に城下町が拡張され、家臣たちの屋敷地として整備されたのが石火矢町の始まりです。江戸時代には「上ノ中丁」と呼ばれ、中級武士の屋敷が建ち並びました。その後、明治7年(1874年)に「石火矢町」と改称されました。

町並みの保存とふるさと村の指定

昭和49年(1974年)12月、石火矢町の町並みは、その格式ある門構えや土塀が良く保存されていることから、岡山県より「石火矢町ふるさと村」として指定されました。また、昭和52年には文化庁から国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、現在も江戸時代の風情を色濃く残しています。町並みの保存と共に、旧武家屋敷を利用した資料館も整備され、訪れる人々に歴史を伝え続けています。

武家屋敷とその見どころ

旧折井家の屋敷

石火矢町ふるさと村では、旧武家屋敷が二軒公開されています。まず、旧折井家の屋敷は、幕末に160石取りであった折井家が所有していたもので、江戸時代に建てられた母屋と長屋門が残されています。母屋は天保年間に建てられたとされ、中庭の池や庭石、踏み石なども昔のままの姿で保存されています。庭に面した資料館では、当時の武具や生活用品が展示され、訪れる人々に武士の暮らしを垣間見せています。

旧埴原家の屋敷

旧埴原家の屋敷は、150石取りの武士であった埴原家が所有していたもので、江戸時代中期から後期に建てられたとされています。この屋敷は、寺院建築風の装飾や数寄屋風の要素が取り入れられた豪華な造りが特徴であり、市の重要文化財にも指定されています。また、離れの一階には、幕末の備中松山藩で活躍した藩政改革者山田方谷に関する資料が展示されている資料室が設けられています。

歴史的背景と現在の保存活動

江戸時代の城下町拡張と石火矢町の誕生

現在の石火矢町は、江戸時代初期に備中松山藩の初代藩主池田長幸の時代に城下町が拡張され、家臣の屋敷地として整備されたのが始まりです。当時、この地域は「上ノ中丁」と呼ばれ、中級武士たちの屋敷が並んでいました。明治7年(1874年)には「石火矢町」に改称され、昭和49年(1974年)12月には、その格式高い町並みが岡山県によってふるさと村として指定されました。

ふるさと村としての価値と保護活動

石火矢町ふるさと村は、江戸時代の武家屋敷の風情を今に伝える貴重な地域です。昭和49年に岡山県指定のふるさと村となり、昭和52年には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。これにより、町並みの保存と整備が進められ、現在も観光客や歴史愛好者に愛されています。旧武家屋敷の公開や資料館の整備により、地域の歴史と文化が次世代に継承されています。

観光と文化財の魅力

石火矢町の文化財と観光スポット

石火矢町ふるさと村は、岡山県下7か所の「ふるさと村」の一つで、石火矢町と紺屋川美観地区の2つの地域で構成されています。石火矢町には、白壁の長屋門や土塀が続く格式高い武家屋敷町が広がり、現在も当時の生活の面影を深くとどめています。紺屋川沿いには、桜と柳の美しい並木が続き、高梁キリスト教会や藩校有終館(ゆうしゅうかん)跡などの歴史的なスポットも点在しています。

映画『男はつらいよ』の撮影地

石火矢町ふるさと村は、映画『男はつらいよ』シリーズの第8作「男はつらいよ 寅次郎恋歌」と第32作「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」の撮影地としても知られています。地区内にある岡村家は、主人公車寅次郎の義弟、諏訪博の実家として登場しました。なお、この岡村家の門は、市内元町の本陣佐福屋の門を移築したものであり、現在の場所にその歴史的な風情を残しています。

アクセス情報と訪問の魅力

石火矢町へのアクセス

石火矢町ふるさと村へのアクセスは、JR西日本の備中高梁駅から徒歩20分、または岡山自動車道賀陽ICから車で20分で到着します。駐車場も完備されており、車での訪問も便利です。歴史的な町並みをゆっくりと散策し、武家屋敷や資料館を訪れることで、当時の生活や文化に触れることができます。

まとめ

石火矢町ふるさと村は、岡山県高梁市に位置する歴史と風情を感じることができる貴重な地域です。江戸時代の武家屋敷の町並みが今も残り、岡山県指定のふるさと村や国の重要伝統的建造物群保存地区として保存されています。旧折井家や旧埴原家の武家屋敷を訪れることで、武士たちの生活や文化を間近に感じることができます。また、映画『男はつらいよ』の撮影地としても知られ、歴史とエンターテイメントが交差する魅力的なスポットとなっています。石火矢町ふるさと村を訪れて、歴史と文化に触れる素晴らしいひとときをお過ごしください。

Information

名称
石火矢町ふるさと村
(いしびやちょう むら)

津山・美作

岡山県