岡山県 » 津山・美作

高梁市 郷土資料館

(たかはしし きょうど しりょうかん)

高梁市郷土資料館は、岡山県高梁市向町に位置する市立の郷土資料館です。この資料館は、1978年に開館し、歴史的な建物である旧高梁尋常高等小学校本館を活用しています。この建物は、1904年に竣工し、「旧高梁尋常高等小学校本館」として高梁市の有形文化財に指定されています。

歴史的建造物としての旧高梁小学校本館

建設の背景と特徴

旧高梁小学校の本館は、1904年(明治37年)に建てられた洋風木造建築です。この建物は、日露戦争の最中に完成し、明治時代の建築様式を今に伝えています。特に2階に設けられた講堂の天井は、樅材を使った無節正目の格天井で、桃山風の二重折上格天井として見事な出来栄えを誇ります。建築に使用された木材は、地元臥牛山の国有林から採取されたもので、品質の高い柾目材が用いられました。

大工・妹尾友太郎の手による施工

この建物の施工は、大工の妹尾友太郎が担当しました。妹尾は、近代建築教育を受けていないものの、優れた技術を持ち、特に2階の講堂はその技量を物語っています。講堂には、天井の見事な細工が施され、明治時代の建築の美しさを今に伝えています。

郷土資料館としての再生

学校から資料館への転用

昭和47年(1972年)まで、旧高梁小学校の本館は現役の校舎として使用されていました。しかし、学校が移転した後、この建物は明治期の代表的な建築物として保存されることが決まりました。そして、1978年(昭和53年)に高梁市郷土資料館として新たな役割を担うことになりました。

展示品と収集活動

郷土資料館では、地元市民の協力を得て収集された約3,000点の民具や生活用具が展示されています。これらの展示品は、江戸時代から昭和初期にかけてのもので、現在では見かけることの少なくなった農機具なども含まれています。これらの貴重な資料を通じて、訪れる人々は地域の歴史と文化に触れることができます。

資料館周辺の見どころ

アクセスと立地

高梁市郷土資料館は、JR西日本伯備線の備中高梁駅から徒歩10分の距離にあります。この立地により、観光や歴史探訪の一環として気軽に訪れることができます。また、資料館の南隣には2019年2月24日に開館した山田方谷記念館があり、こちらも見どころの一つです。この記念館は、かつて旧高梁市立高梁中央図書館として使用されていた建物を再利用したもので、地域の歴史を学ぶには最適の場所です。

その他の施設

資料館の北側には、高梁市総合福祉センターが位置しており、地域の住民が利用する公共施設が点在しています。これにより、郷土資料館周辺は、地域の歴史や文化を学ぶ場だけでなく、コミュニティの中心地としても機能しています。

まとめ

高梁市郷土資料館は、明治期の建築物である旧高梁尋常高等小学校本館を再利用し、地域の歴史と文化を保存・伝承する役割を果たしています。展示品や建物そのものが持つ歴史的価値は非常に高く、訪れる人々に多くの学びを提供してくれます。岡山県高梁市を訪れる際には、ぜひこの郷土資料館を訪れ、地域の歴史に触れてみてください。

Information

名称
高梁市 郷土資料館
(たかはしし きょうど しりょうかん)

津山・美作

岡山県