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広兼邸

(ひろかねてい)

歴史と豪奢が息づく岡山の名建築

広兼邸は、岡山県高梁市に位置する歴史的建造物で、吹屋ふるさと村の保存建造物の一つです。吹屋中心部から南方約3キロメートルに位置し、江戸時代後期に建てられた広兼家の豪奢な邸宅として知られています。この邸宅は、歴史的な価値とその美しい佇まいから、多くの訪問者を魅了しています。

広兼邸の概要と歴史

広兼邸は、江戸時代後期に小泉銅山とローハ(緑礬・硫酸鉄=ベンガラの原料)の製造を営んでいた大野呂の庄屋・広兼家の2代目である元治によって建てられました。この邸宅は、当時の富豪としての広兼家の繁栄を象徴するもので、その壮大な建築は見る者を圧倒します。1977年には松竹映画『八つ墓村』のロケ地としても使用され、その後1996年の映画版でも再度撮影が行われたことでも知られています。

雄大な城郭風の建築

広兼邸は、城郭のような雄大な石垣と母屋、土蔵3棟、桜門、長屋などの建物が敷地内に配置されており、まるで一つの小さな城のような風格を持っています。母屋は江戸時代の文化10年(1810年)に建設され、離れは大正時代に建てられました。敷地面積は781坪(2,581平方メートル)、母屋の広さは98坪(323平方メートル)にも及び、その規模は壮大です。庭園には水琴窟が設置されており、訪れる人々に静寂と癒しを提供しています。

周囲の歴史的建造物と映画のロケ地

広兼邸の周囲には、代官御用所として惣代庄屋を務めていた西江邸があります。この邸宅もまた、歴史的価値の高い建物であり、松竹映画『釣りバカ日誌18』のロケ地として使用されました。広兼邸と西江邸は、吹屋地区全体の歴史的な風景を形成し、その豪奢な雰囲気は訪問者に当時の文化と生活を感じさせます。

広兼家の繁栄とその背景

広兼氏は大野呂の庄屋であり、2代目の元治は享和、文化の頃(1800年頃)に小泉銅山とローハ(硫酸鉄)の製造を営み、巨大な富を築き上げました。この富により、広兼邸は規模、構造ともに雄大な城郭を思わせる風格を持つ邸宅となりました。現在でもそのまま残る堂々たる石垣は、当時の広兼家の財力と影響力を今に伝えています。

映画のロケ地としての広兼邸

広兼邸は、その壮大な佇まいから、映画のロケ地としても頻繁に利用されました。特に、1977年と1996年に撮影された松竹映画『八つ墓村』では、全国的にその名が知られることとなりました。また、映画『釣りバカ日誌18』でもロケ地として使用され、その豪奢な雰囲気は映画ファンにも広く親しまれています。

訪問者へのメッセージ:広兼邸の魅力を堪能して

広兼邸を訪れることで、江戸時代末期から続く豪奢な邸宅の歴史を感じることができます。その堂々たる石垣や広大な敷地、歴史ある建物を見学することで、当時の富豪の生活に思いを馳せることができるでしょう。映画のロケ地としても使用された広兼邸は、歴史と文化が息づく貴重な遺産です。

岡山県高梁市を訪れる際には、ぜひ広兼邸を訪問してみてください。広兼邸の壮大な景観と歴史的な背景を堪能することで、日本の伝統建築とその美しさを深く理解することができるでしょう。また、周囲の歴史的建造物と合わせて見学することで、地域全体の歴史的な価値を感じ取ることができます。

Information

名称
広兼邸
(ひろかねてい)

津山・美作

岡山県