美星天文台は、岡山県井原市美星町に位置する公開天文台です。天文台は吉備高原の高台に位置し、360度の展望が開け、全天を見渡すことができます。この天文台は、口径101cmの大口径望遠鏡を備え、国内でも有数の規模を誇る天文台として知られています。初心者からアマチュア天文家、さらには高度な天体観測まで、幅広い利用者に対応しています。
美星天文台は、岡山県下最大の一般公開用望遠鏡を備えています。主観測装置である101cmの光学式反射天体望遠鏡や冷却CCDカメラ、分光器などを駆使して、さまざまな天体観測が行われます。また、天文台の敷地には、中国で製作され、中国の技術者によって組み立てられた渾天儀の実物大模型が設置されています。
施設の建設には、総事業費4億5840万円が投じられ、その中には望遠鏡制作費(ドームを含む)1億4300万円や渾天儀制作費1500万円が含まれています。これにより、天文台は最高の星空を観測できる施設として整備され、多くの天文愛好家に利用されています。
美星町は、星が美しく見える町として全国的に知られており、光害防止条例を制定して星空を守っています。七夕の日など、天の川を見ようと夜遅くまで訪れる見物客で賑わいます。また、近隣の中世夢が原では、七夕まつりが開催され、多くの観光客が訪れます。
美星天文台では、天文台から約5km離れた井原市星空公園で、毎月第二または第三水曜日に「星空公園観望会」を開催しています。この観望会は無料で参加でき、事前予約が必要です。また、天文台では、夜間観望会が行われ、晴れた日には望遠鏡を使用して星空観察が楽しめます。季節や天候によって、月、惑星、明るい一等星、二重星、星団、星雲など、様々な天体が観測できます。
美星天文台のメイン望遠鏡である101cm望遠鏡は、職員が操作して天体の解説を行います。月や惑星、明るい一等星、星団などの観測に最適で、訪れる人々に迫力のある天体観測体験を提供します。
天文台のドームの外に広がる観望デッキでは、職員が操作する大型双眼鏡や望遠鏡を使って、季節ごとの天体を観察できます。デッキからは瀬戸内海まで見渡せる広い視界が広がり、星空をじっくりと楽しむことができます。
天文台の館内ロビー1階には、「スターウォール」という大型スクリーンがあり、天体写真や流れ星の動画などが常時投影されています。また、「美星町から宇宙へ」「宇宙船地球号の旅」といったミニ番組も上映されており、訪れる人々に宇宙への興味を喚起します。
天文台の中庭には、小型望遠鏡が設置されており、スマートフォンを使って本格的な天体写真を撮影することができます。ただし、2024年2月現在、調整中で稼働していない場合もありますので、事前に確認が必要です。
悪天候時には、天体観測ができないため、1階研修室で立体映像システム「4D2U」を使った宇宙旅行の疑似体験が行われます。これにより、天候に左右されることなく、宇宙の神秘を楽しむことができます。
観望デッキでは、ゆっくりと星空を堪能していただけますが、カメラの三脚やフラッシュの使用、椅子やレジャーシートの持ち込みは他の観望者に迷惑がかかるため、ご遠慮ください。また、季節や天候によって観望会の開始時間が異なるため、事前に確認してから訪れることをお勧めします。