白石島は、岡山県笠岡市に位置し、笠岡諸島に属する島です。面積は2.86平方キロメートル、最高地点は169メートル(立石山)で、人口は2001年時点で750人です。この島全体が国の名勝に指定されており、瀬戸内海国立公園の一部としても知られています。
白石島は、観光地としても非常に人気があり、その美しい自然景観が特徴です。島全体に白色の花崗岩が露出しており、遠くから見るとまるで雪をかぶったかのような白さが際立っています。このため「白石島」という名がつけられました。島内には「鬼ヶ城」「ナベカロ」「王玉石(大玉石)」など標高100メートルを超える5つの峰があり、山頂まで遊歩道が整備されています。これらの遊歩道はオリエンテーリングコースとしても有名で、頂上からの眺めはまさに絶景です。
白石島は、夏のマリンレジャーの名所でもあります。海水浴やシーカヤックなど、さまざまなマリンスポーツが楽しめる他、島内には民宿や海の家もあり、リゾート気分を満喫できます。また、外国人観光客のための国際交流ヴィラも設置されており、国際色豊かな雰囲気が漂っています。さらに、毎年8月14日から16日に行われる「白石踊り」は、源平合戦の戦死者を弔うために始まったとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。この盆踊りは、幻想的な雰囲気の中で行われ、多くの観光客を魅了しています。
白石島は、源平合戦(治承・寿永の乱)の戦死者を弔うために白石踊りが始まったと伝えられています。この踊りは、長編の叙事歌謡を同じ旋律の繰り返しにのせて歌う「口説き唄」に合わせて踊るもので、男踊り、女踊り、娘踊りなど13種類の踊りがあります。1930年前後に島外で披露されたことをきっかけに全国的に評価され、現在では岡山県三大踊りの一つとして知られています。
白石島は、江戸時代初期には備後福山藩の領地であり、干拓が行われた珍しい離島です。また、弘法大師・空海ゆかりの「開龍寺」があり、島の歴史的な魅力をさらに引き立てています。開龍寺は、大同元年に空海が修行を行ったと伝えられる古刹であり、奥の院には不動岩という大きな岩があります。この岩に願い事を3回唱えるとかなうとされ、パワースポットとしても人気があります。
白石島は、奇岩・巨石が多いことでも有名です。例えば、「鎧岩」は国指定天然記念物で、碁盤の目のように割れ目が入った特徴的な岩です。この岩は、地下でマグマが固まる過程で形成された半花崗岩(アプライト)の岩脈が、地表に隆起して現れたものです。また、「大玉岩」「鬼ヶ城」「はと岩」なども島内に点在しており、迫力ある自然景観が広がっています。
白石島には、整備されたハイキングコースがあり、これらの奇岩や巨石を巡りながら、瀬戸内海の美しい景色を楽しむことができます。特に、立石山ルートはトレッキング愛好家に人気が高く、初心者から上級者まで楽しめるコースが用意されています。海抜150メートルの高山展望台からの眺めは格別で、白石島海水浴場や瀬戸内海の多島美、晴れた日には遠く大山や石鎚山まで見渡せる絶景が広がります。
白石島の文化遺産として特に注目すべきは、開龍寺とその奥の院にある仏舎利塔です。この塔は昭和45年に建立され、タイのワットパクナム寺院から奉納された仏舎利(お釈迦様の骨)と、1200年前の釈迦如来像が祭られています。白色に輝く塔は、島のシンボルとも言える存在で、多くの参拝者が訪れます。
白石島の遊歩道は、開龍寺や仏舎利塔、鎧岩などの巨岩・奇石を巡りながら、島の7つの峰を結んでいます。これらの道は、ハイキングやトレッキングに最適で、自然の美しさと歴史的な魅力を同時に楽しむことができます。また、白石島の山々には「びくに岩」など、信仰の対象となった巨石も点在しており、自然と信仰が交錯する独特の雰囲気が漂っています。
白石島では、自然と文化を同時に体験できるツアーが充実しています。特に、白石踊りの体験ツアーはおすすめで、観光客も一緒に踊りに参加することができます。また、夏の海水浴やマリンスポーツも楽しめるため、宿泊してゆっくりと島の魅力を満喫するのも良いでしょう。島ならではの新鮮な海の幸も、観光客に大変人気があります。
白石島のもう一つの魅力は、オリエンテーリングコースの常設です。島内には、ショートコースの2.5キロメートルから、名所を巡る約5キロメートルのコース、さらに立石山ルートまで、様々なコースが整備されています。これらのコースは、初心者から上級者まで楽しめ、自然と歴史が織りなす島の美しさを存分に味わうことができます。