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田中苑

(でんちゅうえん)

田中苑は、岡山県井原市に位置する美しい日本庭園であり、特に楷の木の名所として知られています。この公園は、平櫛田中にちなんで名付けられ、井原市民の憩いの場として親しまれています。庭園内には、四季折々の美しい景観が広がり、訪れる人々に自然の魅力を存分に楽しんでもらえる場所です。

概要

田中苑は、南斗山(なんとざん)の東斜面を背景に広がる5,240平方メートルの広大な日本庭園です。この庭園は、井原市民に「田中公園」としても知られ、誰でも自由に訪れることができる入園無料の公園となっています。園内には、木彫を制作するために使用された石膏原型から鋳造された平櫛田中のブロンズ作品が点在しており、その中には「鏡獅子」や「西山逍遥」といった名作も含まれています。

四季折々の美しい景観

園内には、小田川の伏流水を汲み上げた小川が流れ、楷の木や楓、黒松、桜、サツキなど様々な樹木が植えられています。これらの木々は、季節ごとに異なる表情を見せ、特に桜が咲き誇る3月末から4月初めや、サツキが美しく咲く5月には、多くの訪問者が訪れます。秋には楷の木が鮮やかな紅葉を見せ、訪れる人々を魅了します。

市民茶室「不老庵」

田中苑には、平櫛田中にちなんで名付けられた市民茶室「不老庵」が設けられています。この本格的な茶室は、流派を問わず多くの茶道愛好者によって利用されており、伝統文化の向上に貢献しています。茶室からは庭園の美しい景観を楽しむことができ、心安らぐひとときを過ごすことができます。

園内の見どころ

楷の木(かいのき)

田中苑の名所の一つとして知られる楷の木は、中国原産のウルシ科の落葉高木で、孔子の墓所に弟子が植えたことから「学問の木」とも呼ばれています。この楷の木は、ビール王と呼ばれた井原市出身の実業家、馬越恭平の孫が中国から持ち帰った苗木を植えたもので、現在では約10メートルの高さに成長しています。特に10月下旬から11月上旬、文化の日(11月3日)前後には、美しい紅葉が見ごろとなり、多くの人々が訪れます。

施設と設備

観光トイレ

田中苑内には、周囲の彫刻と木立の景観に調和するようにデザインされた観光トイレが設置されています。このトイレは入母屋づくりの外観が特徴で、内部にはセンサーが設置されており、照明や換気扇が自動的に作動する仕組みになっています。男女それぞれに洋式トイレが1台ずつ設置されており、身体障害者用トイレも完備されています。

その他の特徴

コミュニティ道路

田中苑の南側には、井原市の文化ゾーンにマッチさせたコミュニティ道路が整備されています。この道路は、田中苑とその周辺にある井原市立平櫛田中美術館や井原市役所、井原市民会館を一体化させる役割を果たしています。人と車が共存できるよう設計されたこの道路は、岡山県下で初めての試みとして注目を集めています。

まとめ

田中苑は、美しい自然と文化が調和した場所であり、井原市の象徴的な公園です。楷の木をはじめとする四季折々の景色や、平櫛田中の彫刻作品が訪れる人々を魅了します。また、市民茶室「不老庵」では、伝統文化に触れる貴重な体験ができ、訪問者にとって心安らぐひとときを提供します。田中苑は、井原市を訪れる際にはぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。

Information

名称
田中苑
(でんちゅうえん)

倉敷

岡山県