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由加山 蓮台寺

(れんだいじ)

蓮台寺は、岡山県倉敷市児島にある真言宗御室派の別格本山で、由加山の山号を持つ寺院です。本尊は十一面観音菩薩と瑜伽大権現であり、中国三十三観音霊場第6番札所、百八観音霊場第8番札所としても知られています。この寺院は、古くから地域の信仰の中心として、多くの人々に崇敬されています。

蓮台寺の歴史

創建と発展の歴史

蓮台寺の創建は、天平10年(738年)に遡ります。行基が本尊である十一面観音菩薩と、阿弥陀如来・薬師如来の垂迹である瑜伽大権現を祀ったことが始まりとされています。しかし、平安時代末には兵火により衰退しましたが、室町時代に入り、増吽僧正によって中興され、再び信仰の場として栄えました。

江戸時代の保護と神仏分離

江戸時代には、備前国岡山藩の保護を受け、瑜伽大権現への信仰が広まりました。しかし、明治初年の神仏分離令により、蓮台寺の境内から由加神社(後の由加神社本宮)が分離され、寺と神社が別々の存在として扱われるようになりました。

戦後の変遷と現代の対立

第二次世界大戦後、国家神道の解体に伴い、形式的には分離されていたものの、実質的には蓮台寺が祈祷を行い、明治以前の形態に近い形で運営が続けられていました。しかし、平成9年(1997年)3月3日、由加神社が一部の建物を占拠し、独自の宗教法人としての活動を開始したことから、蓮台寺との対立が表面化しました。この対立の背景には、当時の住職(兄)と宮司(弟)の間の確執があったとされています。

両参りの慣習

江戸時代には、由加山の瑜伽大権現と讃岐国にあった金毘羅大権現(現金刀比羅宮)を参拝する「両参り」と呼ばれる慣習があり、多くの人々がこの二つの霊場を巡ることで厄除けや加護を求めていました。

蓮台寺の概要

厄除けの信仰と不動明王像

蓮台寺は、厄除けの権現様として古くから信仰を集めています。平成19年(2007年)には、総高7m59cmの日本一の木造仏像である不動明王像が完成し、さらに多くの参拝者を迎えるようになりました。

参道と門前町

蓮台寺への参道には、門前町が形成されており、古くから参拝客を迎える多くの土産物店が軒を連ねています。特に、あんころ餅は由加山の名物として広く知られており、参拝者に親しまれています。

蓮台寺の文化財

岡山県指定重要文化財

蓮台寺には、以下のような岡山県指定の重要文化財があります:

倉敷市指定重要文化財

蓮台寺には、倉敷市指定の重要文化財として「銅剣」があります。この銅剣は、歴史的な価値が高く、地域の文化遺産として大切に保存されています。

Information

名称
由加山 蓮台寺
(れんだいじ)

倉敷

岡山県