嫁いらず観音院は、岡山県井原市大江町にある真言宗単立の寺院であり、正式名称は樋の尻山(ひのしりやま)嫁いらず観音院です。この寺院は、瀬戸内三十三観音霊場の第二十一番札所にも指定されており、その名の通り、「老いても嫁の手を煩わすことなく、健康で幸せな生涯を全うできる」とされる霊験から「嫁不要(よめいらず)の観音様」として広く信仰されています。
嫁いらず観音院は、天平9年(737年)に名僧行基菩薩によって開基されたと伝えられています。本尊には、行基自作の十一面観音が祀られており、これが「樋の尻観音」の由来です。しかし、この寺院は「嫁いらず観音」という俗称でより広く知られています。その名の由来は、年老いた人々が「嫁の手を煩わせることなく、健康で幸せな生涯を全うできる」という霊験から生まれました。
1999年(平成11年)には、開山1260周年と井原鉄道井原線の開業を記念して、本尊である十一面観音像の元の姿とされる「聖観音菩薩」が建立されました。この石仏は高さ7.7m、重さ38tを誇り、一本の石から彫られた仏像としては国内最大級とされています。二つの蓮華と台座まで含めると、総高さ11m、総重量88tに達し、設置用の土台を含めると約12mの高さに及びます。
嫁いらず観音院は、その霊験から中高年層を中心に広く信仰されています。毎月第3日曜日の月例祭や春分・秋分の彼岸の中日に行われる大祭には、中国・四国地方をはじめ全国から数万人にのぼる参拝者が訪れます。参拝者の多くは、健康で幸せな生涯を願って訪れる中高年の方々です。
寺院の裏手に広がる樋の尻山には、西国33観音霊場巡りのコースがあり、トレッキングコースとしても人気のある場所です。山頂付近には「さすり観音」があり、ここには休憩所も設けられています。晴れた日には、頂上からの眺望が素晴らしく、訪れる人々に癒しを提供しています。
嫁いらず観音院のもう一つの見どころは、国内最大級とされる石仏「聖観音菩薩」です。この仏像は、高さ7.7m、重さ38tの巨大な石像で、一本の石から彫られた仏像としては日本で最大級の規模を誇ります。さらに、二つの蓮華と台座を含めると、総高さは11m、総重量は88tに達し、その壮大さに圧倒されることでしょう。
聖観音菩薩の周囲には、西国33観音霊場を巡るための道が整備されており、自然と仏教の歴史を感じながら巡礼を楽しむことができます。また、頂上付近には休憩所があり、晴れた日には周囲の美しい景色を堪能することができます。この場所は、霊場巡りを楽しむ参拝者だけでなく、自然を愛するトレッキング愛好者にも人気です。
嫁いらず観音院の参拝時間は、毎日9:00から16:00までとなっています。ただし、毎週火曜日は休館日となりますが、月例祭や大祭が行われる日には開館していますので、訪れる際はその点にご注意ください。
嫁いらず観音院では、毎月第3日曜日に月例祭が開催されます(2019年9月までは毎月17日に行われていました)。また、春分の日と秋分の日には大祭が行われ、多くの参拝者で賑わいます。これらの祭典は、嫁いらず観音院の信仰を深める重要な機会であり、地域の伝統を今に伝える役割を果たしています。